アクアサイド 実業団レポート


Wed, 16 Aug 2000

日本実業団水泳大会仙台ツーリングレポート(前編)

このレポートは30年前の原付を復活させ仙台まで往復するというアホで無意味な物語です。

出発の数日前国際グラフという雑誌の編集部から電話が入った、8月1日に元阪神タイガーズの川藤選手と僕と対談してそれを雑誌に掲 載したいとのこと、随分いい話だ、なんでもインターネットで活躍しているお店がテーマなのだそうだ。でも、ちょっぴりお金の負担が 必要らしい。残念だが断った。そのホームページのプレゼントの企画で30年前の原付を修理して仙台まで往復するとお話ししたら川藤 さんはなんて言っただろうか?

8月4日の金曜日ダックスに4リットルの予備ガソリンタンクと荷物を積み、桃太郎スイミングスクールのダイエットクラスのお仕事 に、その仕事が終わったらそのまま仙台に出発する予定、朝10時にアクアサイドを出発し桃太郎スイミングスクールへ、ところが荷物 が重たく全然スピードが出ない。こりゃまずい、自転車に抜かれそうだ。
しょうがなく桃太郎の支配人さんにお願いして少し荷物を預かってもらうことにした。
とりあえずカメラ、CRC−556も、ええい、潔くパンク修理キットも全部おいていこう。
その他諸々を預けて午後1時愛知県江南市を出発した。

昼過ぎの出発だが出来れば夜も走って前橋あたりまで距離を稼ぎたい、ところがこのダッス君やはりスピードが出ない19号線を40キ ロで走行。無理もない出発2日前にやっとエンジンがかかったこのバイク、ナンバーも2日前に取ったばかりだ。そのとき申告した車両 ナンバーから推測すると71年か72年のものらしい、約30年前のバイクだ、カタログデーターの馬力は4.5馬力でもエンジンは相 当へたっているだろう、ついでに補修テープで塞いだとはいえマフラーは穴だらけだ。いったいどれだけの走れるのだろうか?
走り初めて気づいたがフロントブレーキがまるで利かない。
修理してからテスト走行もせずいきなりの1400キロツーリングだ。今回はちょっと自信がない、おまけにギアが4速ロータリーのバ イクに乗るのも初めてだ、なれるまで時間がかかりそうだ。つい癖で何かあるとギアを落とそうとつま先でペダルを押し込んでしまう、 逆だ、これだとギアは上がってしまう。6速のリターンの癖がでるととっさの時危険だ。同じバイクでもずいぶん違う感じがする、6弦 ギターからいきなり4弦ウクレレを持た感じ?慣れるまでは違和感がある。ウクレレといえば神戸から大会に出場する小川さんがハーモ ニカ路上ライブを行うらしい冗談でじゃあ僕はウクレレで乱入などと言ってしまったが、ウクレレは置いてきたダックス乗ってウクレレ 背負ってたら絵になりそうだが、これ以上荷物は増やせないし、レパートリーも2曲しかない、ついでにあまりうまくもない。次回の宿 題にしよう。

19号線は原付で走るのはかなり危険だ、上り坂を25キロで登る、制限速度は50キロの道だ。車という車全部に追い越される。1車 線なのでバイクのギリギリを車が通過するわずか数十センチを鉄のかたまりがすごい勢いで通り過ぎるのだ。いきなり不意に抜かれると さすがに怖い、知らずに障害物などをよけようとふくらめば間違いなく接触するだろう。19号線をほとんど前を見ずにバックミラーを 見ながら走った。
こちらはフルスロットルで走行してもダンプがものすごい勢いで迫ってくるすごい音でフォンを鳴らす、できるだけ路肩を走るが国道の 路肩は車の轍で盛り上がっている、デコボコだそれにハンドルを取れながらフラついているところをスレスレでダンプが抜いていく、こ んなことをずっと続けながら仙台まで走るのだろうか?いつかどこかで絶対やられる。そう思いながら走っているうちに雨が降ってき た、さらに視界は悪くなった、もう前を見て走るのはやめよう。どうせ見えない。バックミラーをずっと見ながら走ることにした。ト ラックは容赦なく水をかけながら抜いていく荒れた路肩はグネグネだ、前を見たらそれこそ走る気がしないだろう、見ずに走ればいい。 それに路肩は走る車に弾かれていろんなものが落ちている見れば避けるだろう。全部踏んでいこう、パンクしても修理道具は置いてきた どうせどうにもならない潔くあきらめよう。雨はかなりひどい遠くで雷も鳴り出した。

するとすごい光と音がした落雷だ、ずいぶん近い、すると次から次と落ち始めた。
すごい数の雷だ、とりあえず給油にガソリンスタンドに寄った、給油はかなりめんどくさい荷物をほとんど下ろす、そして給油口を開け ガソリンを入れようとした瞬間スタンドの電気が切れた、落雷で停電したらしい。次のスタンドまで走ることを進められたがもうガソリ ンがほとんどない、予備タンクはかなり丈夫にくくってあり外して入れて元に戻すのにかなり時間がかかるホントに緊急の時にしか使い たくない、しょうがなく電気が復旧するまでココで待つことにした。しばらく待って無事給油できた、走り始めれば雨はさらに酷くなっ てきた、それでもギリギリを車は追い抜いていく、このワイパーも効かない雨の中このダックスはちゃんと視界に入っているのだろう か?

塩尻に着くと雷はさらにひどくなっていた。ダックスも調子が悪いキャブに水でも入ったのだろうか?これだけ降ると電装系も不安だ。 とりあえず雨宿りに近くのスーパーの駐輪所にバイクを止めた。しばらくしても雨足は弱くならないし、雷もかなり近い、夕食でもとろ うとスーパーの前にある中華料理屋に入った。店に入るなりお店の人が「バイクですか?さっきのダックスですね。」と話しかけてき た、どうやら表のヤマハの1200のオーナーらしい見ればお店の雑誌もOUT RAIDERなどのバイクツーリング誌が置いてある。話をして いて仙台まで行くと言ったら驚いていた、いつまでに行くのと聞かれ明日中には行かないといけないと言うと、さらに驚いた。その店で お薦めの焼きそばを食べていたら、近くに雷が落ちお店が一瞬停電した。しばらく出ない方がいいよとお店の人に言われこの店に1時間 半ほどいた。出発してから約150キロしか走っていない仙台までは約700キロ今日このまま足止めなら仙台行きは絶対無理だろう。 出発する事にした。お店の人とお客さん全員が僕の走るルートの相談に加わった。気をつけて行けよとみんなに見送られて雨の中走り始 めた。

20号線にはいると雨はまた強くなった、落雷も相変わらずだ、バケツをひっくり返したような雨の中、道の駅にバイクを止めた。いく ら何でも走るのは危険だ。建物の軒先にバイクを止め、ずぶ濡れのカッパを着たままアスファルトに横になった。このままここで野宿に なりそうだ、残りはまだ550キロ以上はあるだろう。計画を中止して帰ろうと考えながらそのまま寝てしまった。1時間ほど寝ただろ うか濡れたままアスファルトに寝ていたので寒さと身体の痛さで目が覚めた。雨は相変わらずひどい、雷も相変わらずだ、出発を決意し たところにハーレーが入ってきた、2人乗りだ、もう一台が峠でパンクしたらしいスタンドの前まで押して、いったんここで野宿するつ もりなのだそうだ、僕が今から軽井沢越えをすると言ったら「絶対危ない」と止められた。

ダックスを見た2人はかなり驚いていたが、ハーレーもかなり古いモデルだ、こちらも30年ものらしい、「古いバイクはいいですよ ね。」と言われたが、ダックスとハーレーのビンテージリッターバイクを2台横に並べて同じレベルで古き良きバイクを語ってもいいの か少し悩んだ。とにかくハーレーオーナーにいいバイクと認められたのだ今日からリッターバイクの仲間入りする事にした、ダックスは 0.05リッターバイクとして胸を張って走ろう。でもなんか消費税みたいだ。

とりあえず野宿の必需品を全て置いて出発したので、このままアスファルトの上で寝ることにした地面に体温が吸われるような感じで寒 い、2時間ほど寝たと思う午前3時に出発の準備を始めた、これから峠越えだ予備のガソリンタンクを下ろし給油した、タンクを又縛り 付け荷物をのせてエンジンをかけたがうまくかからない、結局出発までに4時になっていた。
走り始めたら身体がかなり痛い、服も靴も濡れたまま寝たので風邪を引いたようだ頭が痛い

142号線で佐久へ、18号線で軽井沢へ、山道は2速でずっとフルスロットル20キロしかでない、峠を降りようと有料道路にさしか かった、原付は30円でも手がふるって小銭が出せない1000円を渡したら料金所で嫌な顔された、すると料金所横の歩道を走れと言 う。つまりお金はいらないから歩行者として通れと言うことらしい、料金所の前を通らなければ無料にしてやると言うことらしい。バカ にしている、有料道路は料金所の前の道の部分だけのお金なのだろうか?まあいいアホ相手にしてる暇はないので無料で通ることにし た、峠を降りて高崎へ、そのまま前橋へ、時間は午前9時。自分の予定では前日の夜の9時ごろこのあたりだった。で、朝は6時出発を 予定していたので全体的には3時間の遅れまで取り返した計算だ。とりあえず群馬までは来た。

軽井沢にて
なんで名古屋から仙台まで行くのに軽井沢経由なのでしょう? このルート原付向きではありませんでした。

50号線を栃木方面に小山まで走って4号線で宇都宮と思ったがどうやら足利から293号線ってのがあるようだこちらを走ろうとルー トを変えた、この国道は走りやすかった唯一快適にツーリングが出来た区間だった、信号待ちをしてるとなにやら大声が「一宮から走っ てきたのか」と後ろのダンプの運ちゃんが叫んでいるらしい。振り返ってうなずくと「一宮って尾張一宮か!このバイクでか?」と叫ん でいる、もう一度うなずくと運ちゃんは運転席で「そりゃすげ〜」と飛び上がって喜んでいる。ずっとニコニコ嬉しそうにダックスの後 ろを走っていたが、しばらくして国道をはずれた。きっとあの運ちゃんは帰ってすぐダックスを購入し、奥さんと子どもを置いて家を捨 て旅立つに違いない、きっとそうだ。

ところでこのダックスくんアクセルワイヤーが自然には戻らない4速に入れて手離しで乗ってもそのまま走れる?しばらく手離しで乗っ たが、路面のギャップを拾って飛ぶといけないのでやめた。

宇都宮に1時頃着いた、後はひたすら4号線あと約250キロ、時速40キロぐらいでしか走れないので6時間半ぐらいかかるだろう か?何とか今日中に仙台行ける目処がついてきた。ただ4号線はかなり交通量が多かった、いつもに様に車は全部ダックスを抜いていく 4号線のほとんどをバックミラーを見ながら走った。車は渋滞でダックスが車の流れについていているときも、前に詰めないと損すると 言わんばかりにダックスのスペースを詰めてくる、路肩の路面は最悪だ。何度も危ない目に遭いながら郡山まで来た。バイクツーリング は最低でも車の流れについていけるバイクでないと危ない。

ダックスのマフラー
補修剤で直したマフラーが再び穴があきました。 穴からエアクリーナーに向かって排気ガスが吹き付けています。 エアクリーナーのキャップはススで真っ黒、仙台まで大丈夫か?

トラックに何度も接触しそうになりながら走っていると、雨が降ってきた、そしてまた雷が、しばらくするとかなりひどく降ってきた。 又かと思っていると雷がさらにひどくなってきた福島に着いてもまだ雨足は弱まらない、日も暮れてきた、エンジンはふけが悪くなって きた、ウインカーやヘッドライトにかなりの不安がある、予備の電球やヒューズは持っているが最悪電装系がいかれたら手信号とヘッド ライトは懐中電灯をガムテープでくくりつけて走ろう。
もうここまで来たらあきらめるわけには行かない

最後の給油をして夜8時頃仙台に着いた仙台は雨がやんでいたホテルは駅の近くだ駅前まで出ると七夕祭りですごい人。車も渋滞して動 かない、渋滞待ちをしてるとダックスがエンストした、エンジンをかけようとしてもかからないどうせ渋滞しているので歩道を押してい くことにした。しかし歩道もすごい人だなかなか前に進めない、雨でもないのにカッパを着てヘルメットをし、ダックスを押しているの はかなり他の人の迷惑だったと思う、結局ホテルへの道を迷いながら1時間ほどバイクを押して歩いた。もうへとへとだ。
それにしても今朝諏訪を出て一日で仙台まで走れるとは思わなかった。

ホテルに入ってボーとしてるとアクアサイドの先発隊の悦子から電話が鳴った仙台駅前の居酒屋でトヨタ自動車チームのみなさんと一緒 に飲んでいるらしい。合流する気力がないとりあえず断ってお風呂に入った。ビールを飲んで1時間ほどしてハーモニカライブのことを 思い出した、そういえば食事もとっていないアーケード街にでたがギター少年はいたがハーモニカを吹く人を見つけられなかった。簡単 に食事を済ませ部屋に帰ったテレビをつけたとこまでは覚えているが後は記憶がない、朝目覚めたら仙台に来ていることを忘れていた、 ここはどこなのだろう?起きようとしたが身体がベットに張り付いて動かない何とか起きあがったら7時半だった、しまった寝過ごし た。チェックアウトをすますと頭がガンガンする2日連続で大雨の中を走ったのだ風邪を引いたのだろう、少し寒気もする。

大荷物をダックスにくくりつけるのはかなり時間がかかる急いで会場入りしないと行けない、やっと荷物をのせエンジンをかけようとし たらエンジンがかからない?そうか夕べ謎のエンストをしたままだった。今乗せた荷物を全て下ろして工具箱をだした。もう時間がない ガソリンは仙台入りする前に入れたばかりだ。プラグかな?キャブレターかな?とやっているうちに時間がたつ、まずい。押し駆けして みようと思ったがやはりかからなかった。
とりあえず悦子に電話した、試合はもう始まっているそうだ、駅から会場まではどれぐらいかかる?30分ほどかかるそうだ。9時まで にはここを出たい、僕のレースは10時過ぎぐらいだそうだ。どんなタイムであれ泳がないにはいかない。 ここまで来たんだ、エンジンよかかれ!そう思って力一杯キックをけった。

さて大会へは行けるのでしょうか?お話は後半に続きます。
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