ガチャマン シーズン3

第5話 BSE

毎度ここは赤見食堂。博士が話し始める。

「外来種UMA達はチュパ飛行機に運ばれ一宮が入り口となり在来種UMAの世界に入り込んでいるのだろう。」

「どんどん外来種がやってきてはチュパダイコン達が危険です。」

「う〜ん。奴らの本当の狙いは在来種UMAかもしれんが、その為の副産物で一宮もかなりヤバいのも確かだ。」

「空港やダムのことですか?」

「そうだ。まず外来種UMA達はなんらかの方法で人間の世界に入り込み市町村合併を仕掛け一宮を大きく太らせる。そして空港を作らせ多くの外来生物を運び、在来種UMAの世界を制覇したら、お役御免の一宮市はダムで沈める。そんな計画なんだろう。」

「恐ろしい、」

「ダムも生態系には大きな影響を及ぼす代物だ。とことんやる気なのだろう。」

「なにか出来ることはないんですか?」

「今回はガチャマンと戦いをすることなく奴らは消えていく。やっかいだ。」

そんな時、食堂の電話が鳴った。勝利おじさんが、なにやら深刻に話している。

電話を切ると青い顔して話し始めた。

「たいへんなことになってる。」

「また何かおきたんですか?」

「一宮の畑からニンジンやダイコンなど野菜が消えた。」

「え〜!」

「お米も不作らしい。」

「明日仕入れる食材も市場にないかもしれない。たいへんだ。」

するとまた正義おじさんが慌てて入ってきた。

「たいへんだ。来月から一宮の地方消費税が100%になるらしい。」

「100%?」

「そうだ。空港やダムで立ち退きを拒んでた人たちも税金の高さにどんどん他の地域に引っ越しを始めている。」

「100%って、いったいその税金はどうするですか?」

「おもいやり予算ってのになるらしい。」

「それってアメリカ軍のための予算ってことですか?」

「よく解らんが、これも外来種UAMの仕掛けたことかもしれん。」

「次から次と。今回の敵は強力すぎます。」

「よし、いいこと思いついた。」

「なんですか博士。教えてください。」

「今回は降伏しよう。」

「は?」

「勝つのは無理。あきらめよう。」

「なんてこと言うんですか!」

「潔く一宮はダムに沈めて貰おう。まあ腹を括ろう。長生きしたしもういいや。」

「そうだな。」同意する正義おじさんと勝利おじさん。

「あんたらいいけど。若者の僕らはそうするんですか!」

「だいたいさ、日本はもうすぐ破綻するだろうし、我々世代の負の遺産で君らの将来なんかもともと真っ暗よ。いや〜いい人生だった。」

「あんたら3人今すぐ殺してやる!」

「まあ、怒るな。」

そんな時、再び食堂の電話が鳴った。

「博士、君に会社から電話だ。」

勝利おじさんから電話を受け取る博士。

「え?クビ?今まで働いた給料も無し?え〜!会社つぶれたの?」

どうやらまたなにか起きららしい。

「BSEのせいで会社が無くなった。」

「BSEっていわゆる狂牛病のことですか?」

「いや違う。ボール紙リサイクル法ってのが出来たらしい。」

「家電リサイクル法のPSEみたいなもんですか?」

「そうだ。ダンボール紙で出来ているのにBSEマークを付けてないエンギ屋プライズは使用禁止になった。」

「あんなに製造したのに?」

「後からお金出してBSEマークを買って貼ればいいらしいが、」

「買えばいいんですか?良く法律の意図がわかりませんね。」

「購入者はBSEマーク代金の保証を会社に求め、会社も多くのマーク代を支払ったが力尽きたらしい。保証を受けれなかった一部の購入者は怒りエンギ屋プライズに火を付け燃やしているらしい。」

「止めなきゃ。ガチャマン出動します。」

「ダメだ。エンギ屋プライズに乗っていくのは危険だ。そして地域振興剣もBSEマークがないので使用できん。」

「正義の武器が使えないんですか?」

「う〜ん。以前にも同じ様なことあった気がするなあ〜。」

「忘れたんか!」

勝利おじさんの軽トラに乗せられ。出動する柚木少年。

町のあちこちでエンギ屋プライズが燃えている。そこに現れたのは、

「はやり居たか、チュパビーバー。ダム計画はきっと奴の仕業だ。」

ガチャマンに変身。手ッポウを撃つガチャマン。

いくつか命中したが、姿を消したチュパビーバー。

そこにはダムの壁一部ができつつあった。

既に何キロと続いている。

「本当に出来るんだ。ダムが、」

立ちつくすガチャマン。

はたして解決の糸口は見けることができるか?

第6話へつづく

最終更新日:2011/02/06