ガチャマン シーズン3
数日後、ここは一宮の空港ができるという予定地。柚木少年が視察に向かう。そこには既に工事用の運搬のためか小さな滑走路が出来ていた。 あれ?原付二種宇宙空母エンギ屋プライズがたくさん並べてあるぞ? 帆にはISN認定マーク。つまり「インチキ正義じゃないよ認定」を受けたエンギ屋プライズが何台も並んでいる。そこに見覚えのある人影。 「博士じゃないですか?」 「お、柚木君、ひさしぶり元気か?」 「元気かじゃないでしょ!何してるんですか?」 「ここで契約社員になってエンギ屋プライズを製造している。」 「全部がISN認定付みたいですが、登録料が巨額ですよね?」 「それは昔の話だ。今はISN認定を取ると補助金がおりて逆に儲かる。」 「え?いつからそうなったんですか?」 「最近だ。しかもエンギ屋プライズはエコ宇宙空母減税もある。」 「エコ宇宙空母減税??」 「そうじゃ伊吹颪の風に乗って飛ぶエンギ屋プライズは飛行中の二酸化炭素排出量がゼロだ。それでエコ宇宙空母減税対象となった。むちゃくちゃ注文が来ているらしい。」 「まあ、それは良かったですね。」 「それがあまりよくない。」 「なんで?」 「エンギ屋プライズは風が無い日は飛ばん。なのでこの空港予定地に巨大な扇風機ができた。」 「あれは風力発電じゃなかったんですか?」 「巨大扇風機だ。それでエンギ屋プライズを飛ばすんじゃが、扇風機の動力としてガソリンエンジンが使われて、すさまじい二酸化炭素を排出している。」 「なんじゃそれ!」 「しかも風を作って、それを帆で受けるのでエネルギーのロスが多く。各エンギ屋プライズにエンジンをつけて飛んだときの10倍ものガソリンを消費する。」 「本末転倒じゃないですか?」 「それでもエンギ屋プライズ自体は「飛行中の二酸化炭素排出量がゼロ」であることは間違いないのでエコ宇宙空母ということらしい。」 「そんなバカな。そんなの作るの止めてください。」 「雇われだからしょうがない。実は大きな借金があるのじゃ。」 「借金?だいたい今までどこに居たんです?」 「江南市の布袋(ほてい)だ。」 「そんな近くに居たんか!」 「布袋駅の近くにある正義促進住宅に住んでいて、正義のため新しい事業で生計を立てようとしたが失敗した。」 「今度はいったい何をしでかしたんですか?」 「地ビールを作った。」 「地ビール?」 「布袋(ほてい)ビールだ。」 「なかなかいいじゃないですかホテイビール。なんで失敗したの?」 「地球温暖化を防ぐため、二酸化炭素排出量ゼロのビールにした。」 「アホか!泡が無いビール造ったんですか?」 「マズいと不評で事業は破綻した。」 「当たり前です!」 「いや〜まいった。まいった。」 「そんなことしてる間に、一宮は大変なんですよ。」 「知っている。だから帰って来てやったんじゃ!」 「追い出されたんでしょ!江南市。」 「バレたか。でも一宮と江南はいずれ合併し「北名古屋の北で岐南町の南で南アルプス市のずっと西市」って名前になるらしいな。」 「なりません!噂がひどくなってますね。」 「良く解らんが、新空港はどこの空港会社も使用しないようなので、エンギ屋プライズ専用の空港となるらしい。たくさん注文来てるし、、」 「なんだか空港を作る理由に利用されている気します。エンギ屋プライズ。」 「以前にも似たことがあった気がするな?」 「忘れたんか!」 なんだかいやな予感です。いったいどうなる? そんな時、赤見食堂から無線が、 「え?未確認生物UMAの出現?ハイ、ガチャマン出動します。」
またしても闘わずして消えたUMA。いったい何が起きているのだろう? ガチャマン シーズン3 |
最終更新日:2011/02/06