ガチャマン シーズン3
第10話 イエティー

戦いは終わった。しかし合併後に「北名古屋の北で岐南町の南市」となるエリアは焼け野原だ。復旧には時間がかかるだろう。

おまけに空港とダムの建設準備の土地買収で多くの人達が街を出た。

そして地方特別消費税100%で出て行った人もいる。

そして本物エコ飛行機が一酸化炭素まき散らしたために街を去った人もいる。

そして「重いヤリ予算」での空から降ったヤリで家を失なって出て行った人など。

このエリアの人口は激減した。

赤見食堂も重いヤリが降って屋根が無くなり営業できなくなっていた。

そこにおじさんが慌てて入ってきた。

「たいへんだ。こんどは家ティーが現れた。」

「イエティーって、雪男ですよね?」

「そのイエティーじゃなくて、家ティーだよ。」

するとどこからかドスン、ドスンという足音が無数に聞こえ始めた。

店の外に出ると、家の魂がUMAとなって街を歩いている。

小さな家ティーが集団となって、壊れた街をさらに壊し始めている。

「まずいな、捨てられた家達が怒っているんだ。その怒りと悲しみが家ティーとなって出現したんだ。」

「博士、小さな家ティーが別の家ティーと合体して大きくなっていますよ。」

「いかん。徐々に合体して最後は1つになるぞ。」

「ガチャマンに変身します。」

「まて、」正義おじさんが止める。

「最強のガチャマンケーキを作った。これを食べろ。」

おじさんが美味しそうなワッフルを取り出した。

「名前はパワッフルだ。パワッフルを食べるとパワフルになるんだ。」

「ダジャレか!」

「いいから食べろ。美味しいぞ。」

ガチャマン変身!

解説しよう。

パワッフルを食べるとパワフルな

超・超・スパーガチャマンに変身するのだ。

エンギ屋プライズに乗り上空へ飛び立つガチャマン。

すでに家ティーは1つの巨大なUMAとなっていた。

その破壊力は膨大だ。

「遅かったか?どうしたらいい?」

するとガチャマンの目を疑う光景が、

「博士大変です。チュパニンジンやチュパダイコンが家ティーの屋根に乗っています。」

「家ティーは在来種UMA達を味方に付けたようだ。」

「え〜っ!」

「無理もない。家だけでなく田んぼや畑もむちゃくちゃだ。野菜達が怒るのも無理ない。」

「どうしたらいいんですか?」

「ガチャマンの剣で、家や野菜達の悲しみや怒りを切り、心を静めるんじゃ!」

「解りました。やります。」

「コドモドラゴンから剣を受け取れ。」

コドモドラゴンが剣を持ってきた。受け取るガチャマン。

「この剣は?」

「愛知剣じゃ。」

「愛知剣?」

「市町村合併から端を発した人口流失騒ぎの悲しみは愛知県全体に広がっている。」

「このあたりだけじゃ無いんですね。」

「もはや名古屋市は合併し「北名古屋市の南市」になっておる。そして豊橋市などは「湖西市のずっと西市」と改名した。」

「嘘?」

「その愛知剣で愛知県を救え!」

「わかりました。」

「剣はモエンザイムQ10配合じゃ。それで家ティー達の悲しみと怒りを切れ。」

愛知剣を構えるガチャマン。


コドモドラゴンが剣に向かって火を吐く。

モエンザイムQ10の成分が火柱となり天を焦がす。

そして剣を振り落とした。

大きな炎の剣が野菜のUMA達ごと巨大家ティーを切った。

家ティーが2つに割れ、大きな音を立てながら崩れていった。

そして姿を消した。

次の瞬間、空から光が差し、壊れた家々がきれいに治り始めた。

「ガチャマン聞こえるか?家達が自身の力で再生し始めたぞ。」

「博士、畑や田んぼも再生が始まりました。」

「よし、よくやった。家も野菜も感謝し取るぞ。ガチャマン。」

街は徐々に元の姿を取り戻しつつある。

そして「北名古屋の北で岐南町の南市」合併計画は無くなり、元の一宮市となった。

そして名古屋市や豊橋市などの合併も無くなり元の状態へと戻った。

よみがえったそれぞれの街に離れていった人たちも戻ってきた。

一宮市に平和が戻った。

第11話へつづく

最終更新日:2011/02/06