第8話  図書館

市営コドモドラゴン記念動物園には、その閉館を訴える市民のデモが殺到していた。

正義特定財源は動物園の運営にも利用されており、その廃止も訴えていた。

正義の象徴であるコドモドラゴンは危険な状態だ。

全国でも人気の観光スポットとして賑わいをみせていた動物園は閉鎖し、観光客の姿はもう無い。

ここは機動隊とデモ隊のぶつかり合いが最も激しい場所となっていた。そのぶつかり合いの合間をぬって村長の命を受けたUAM達が動物園に近づいていた。

そしてチュパゴメが動物園のフェンスを越えようとしたとき電撃が走った。

チュパゴメがポン菓子になっていく。

高圧電流が流れている。どうやらフェンス超えは無理のようだ。

正門のベルのボタンをチュパネギボウズが押す、ピンポンジャンプだ!

正門を越えた
UMA達、すると地響きがして新たな塀が地面から現れた。

なんだこの動物園?

そして塀の仲からUMA達を捕らえるための無数の檻が飛んできた。

チュパダイコン、チュパネギボウズ達が次々とつかまっていく、

ここは動物園ではなく、動物刑務所だ。


果たしてチュパニンジンはコドモ・ドラゴンの檻までたどり着き、救出することができるのだろうか?

いっぽうその頃、村長は非正規確認生物と呑んでいた。

「いまUMAたちがドラゴン救出の任務を実行しておる。そして非正規確認生物の皆には新たな極秘作戦を命ずる。そんな訳でまず乾杯しよう。次の任務は命がけじゃ〜。」
どうやら非正規確認生物達と何かを起こすようだ。でも呑む必要ないと思う。

そしてイチバン・ハジメは新たな非正規確認生物を探してお役所に居た。
そいつは、この中に紛れているはずだ。

「坊や、こんなところで何をしているんだい。」

「新しい図書館について聞きたくて。」

「そうかい、もうすぐ駅が「正義の図書館」になるんだよ。楽しみだね。」

「みんな本をたくさん読めるようになるんだね。」

「どうかな?朝の駅はみんな移動で忙しくて本を読む暇なんて無いだろ、そもそも朝早くなんて開館してないよ。そして皆がたくさん駅を利用する夜はとっくに閉館さ。普段駅を利用しない人も来ないだろうね。駅前に駐車場を見つけるのは難しいよ。」

「じゃあ誰も利用できないじゃない?」

「計算通りだよ。新しい駅ビルはただの倉庫さ。」

「見つけたぞ、お前は非正規確認生物だな!」

「見つけた?見つかっていたのは君の方だよ。イチバン・ハジメ」

すると目の前の男は非正規確認生物へと変身していった。

「チュパブック?クローン技術は本まで生物にできるのか?」

チュパブックが襲ってくる。

「紙デ手ヲ切ルトイタイヨネ。紙デ手ヲ切ルトイタイヨネ。」

うわ、しゃべる敵は始めて、うっとしい。


チュパブックのページがイチバン・ハジメの皮膚を切り刻む。

「痛い、また今度も負けてしまうのか?」

と、その時、チュパブックに向かって火が放たれた!

「コドモドラゴン!」

あの難攻不落の動物園からUAM達がコドモドラゴンを救い出したのだ。

「イチバン・ハジメ応答せよ。」

「正義おじさん。」

「銘菓ガチャ饅をドラゴンから受け取れ。」

「おじさんが作ったの?」

「そうだ、海賊船の出現でガチャ饅非買運動が起こり饅頭商社「利井饅」は破綻した、おじさんはケーキ屋を取り戻したぞ。自信作だ、さあ食べろ!」

「変身!」そう叫ぶとお饅頭を口の中に、その瞬間眩い光が体を包み込んだ。

「あ、美味しい」

<解説しよう。少年柚木オロシは美味しいお饅頭ガチャ饅を食べて、その血糖値が138つまりイチミヤを超えるとき正義の味方ガチャマンに成長するのだ。>

「悪と戦う戦意の街一宮。高度成長戦士・ガチャマン参上!」

変身したガチャマンにチュパブックが襲い掛かる。負けるなガチャマン。

「お〜い、元気にやっとるか?」

「酔っ払い博士ですか?今戦ってます。忙しいです。」

「非ISN公認必殺兵器をドラゴンに持たせたので受け取れ。名刀・図書剣じゃ。」

え、ダジャレ?

「図書剣?ちょっと待って、ひょっとして?」

「君が溜めていた図書券を再生して作った。」

「コラ!何てことするんですか!」

「あきらめろ、その剣でしかそいつは切れん。」

ガチャマンが構えた名刀・図書剣にコドモドラゴンが火を噴く。

燃え上がる炎の剣がチュパブックを切った。燃えながら逃げていくチュパブック。

「勝った。」一宮駅を守ったぞ。ありがとうガチャマン。

でも悪人と誤解されているので、お礼を言ってくれる人は誰もいない。ま、いいか。

シーズン2  第9話 につづく。

最終更新日:2011/02/06