どれだけ寝むっていたのだろうか?ここはどこだろう?なんだか敗け続きだ。 「気がついたかね。」 「あ、正義おじさん。」 「おじさん、ケーキ屋さんをやめて今どうしてるの?」 「今は勝利おじさんのこの定食屋さんで働かしてもらっている。もう直ぐ市場から勝利おじさんが帰ってくるので3人で飯にしよう。」 「市場には野菜があるの?」 「いや、かなり大変なことになっている。あの正義特定財源のせいで一宮の農業はパニックだ。君ほど大変じゃないがな柚木君。」 「僕は今、イチバン・ハジメと名乗っているんだ。」 「イチバン・ハジメ?なるほど、それはメッセージかもしれないね。」 しばらくすると勝利おじさんが帰ってきた。 「ところで大変だぞ、コドモドラゴンがいる記念動物園を潰せとデモが起きているらしい。一宮の正義のマスコットだから正義特定財源の象徴として捉えている人が多いのだろう。このままではコドモドラゴンが危ないかも。」 「助けに行かなきゃ。」 「まあ待て、待て、飯は食っていけ。」 3人で食事を済ませ、勝利おじさんと軽トラに乗って動物園の近くを偵察に行った。 「今のところ警備が充分なので、直ぐに危険ではないが、逆にこの警備の中どうやって救出するかだな。」 動物園の周りを回って途中で車を降ろしてもらうことにした。 「お腹がすいたらいつでも食堂に来い。あと、ガチャマンも憎まれているようなので気をつけろ。エンギでもない海賊空母で飛び回ったヤツのせいで、ガチャマンは悪者だったんだと噂になっている。正体がばれないようにしろよ。」 「あのアホ博士め、余計なことばかりして、」 「いや、そうでもないぞ。海賊空母もなかなかやる。」 「どうゆうこと?」 「まあ、今に解るさ。」 そう言って勝利おじさんの軽トラは走っていった。 ところで、あのエンギでもない海賊空母に乗ったバカ博士はどこ行ったんだ? 無線は通じるのか? 「博士、博士、聞こえますか?」 「お、イチバンハジメか?なんだ無事か?」 「なんだとはなんですか!」 「今、チュパニンジンたちとチュパグリたちと一杯やっとるんじゃ。」 「なんで一緒に居る!そんでなんで酒呑んでる!」 「UMAたちと話しているうちにいろいろ解ってきたぞ。」 「いつからUMAの言葉が解るようになった!」 「実はチュパグリ達は厳密にはUMAではない。」 「どういうことですか?」 「以前出現していたチュパニンジンらはUMA謎の未確認生物だ。しかし、一年後に現れたチュパグリらは未確認生物ではなく、非正規確認生物らしい。」 「なんですかそれ?未確認生物と非正規確認生物は違うんですか?」 「非正規確認生物は派遣だ。」 「はぁ〜?」 「チュパピーマンの出現のときから違和感を感じていたんじゃが、出現の動機にUMAのようなシンプルさが無かった。つまりクローン技術を応用し作り出され無理に派遣された生物だったということだ。」 「黒幕がいるってことですか?で、今博士はどこに居るんですか?」 「わしは非正規確認生物派遣村にひっそり身を寄せて、にぎやかに呑んでいる。」 「酔ってる場合か!なんですかその非正規確認生物派遣村って?」 「ガチャマンに負けて職を失った生物たちが支えあって生きている村だ。かわいそうに。」 「僕だけのせいだけにするな!博士のせいでもあるでしょ!」 「怒るな、君もココに来て呑むか?」 「僕は中学生です。」 「ノンアルコール日本酒とノンアルコール焼酎もあるぞ。あっそうだ私が発明した飲み物もある。世界一アルコールが高い酒を知っているか?」 「知りません。」 「スピリタスと言ってアルコール度数96%じゃ。ワシはそのアルコールをゼロにしたノンアルコールスピリタスを作ったぞ。どうだすごいだろ〜ヒック。」 「飲むところあるですか?それ」 「硬いこというな。わしゃもう寝る。」 「寝てる場合か!コドモドラゴンが危ないんですよ。」 「知っとる、そのことなら心配するな既にチュパニンジンたちUMAを行かせた。まかせろワシはココの村長だ。」 「マニフェストの勝利だ。村長選で勝ったのじゃ。」 「なぜ立候補する!」 「いいじゃないか、ドラゴンの救出はUMAたちに任せて、君には任務を与えよう。今までは非正規確認生物が出現してから対処しておったが、これからは出現を予言することにした。zzz」 「寝るなって!」 「あ、えっと、一宮の駅が正義の図書館になる計画があるのを知っているか?駅が図書館じゃぞ、血の通った人間が考えたとは思えん。間違いなく非正規確認生物の仕業じゃ!それを阻止せよ」 一宮の駅が図書館に、市の一等地にわざわざ巨大な書庫を作る。
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最終更新日:2011/02/06